コスモスの影にはいつも誰かが隠れている
2009年9月1日:第一刷発行
2009年10月12日:第二刷発行
著者:藤原新也
発行所:東京書籍株式会社
写真家であり作家でもある著者が、日常の中の人々の人生のある時を切り取ったお話。
どこにでもありうる・・・
著者は、哀しみもまた豊かさであると言う。
人は、哀しみや苦しみの彩りによってさえ救われ、癒される・・・
そ・・・そっか・・・
そんな風に考えたこと・・・
あったかな?
トウキョウアリガト~
記憶に残らない日々というのは一体なんだろう。
・・・自分として生きていなかったから・・・
(P.162より抜粋引用)
自分を生きていない・・・あぁ、そんな日、たくさんあったような・・・
気付いたなら、遅くない・・・自分をちゃんと生きようって、また思ったよ。
車窓の向こうの人生~
けもの道のように動物の行動は保守的。
人も同じ・・・
いつもの時間にいつもの電車に乗り・・・
乗る車両まで同じ
見える風景も同じで
それが、工事中でいつもと異なる道を家路へ・・・
一本違うだけで・・・
見た事がなかった見事な椿の咲き乱れる姿に、長期休暇を取りフラワーアレンジメントを学ぶために留学してしまうOL。
人生なんてそんなものかもしれないね。
偶然なんかじゃない必然のように突然出会ってしまう何か!
何に出会うのかは・・・全く知る由もない。
でも、出会ってしまうんだよね。
運命というだけで括れない何か・・・
生きていれば、何もない日はない。
この星の下にどれほどの物語が、存在するのだろう。
それは、人の数だけ、人の思いだけ・・・
この年の瀬も押し迫った片付けで忙しい最中、読み始めたら止まらなくなって・・・
海辺のトメさんとクビワとゼロ~
海の風景
年間365日、一日たりとて同じでない・・・
海辺で起こることもまた一期一会・・・
(P.54より抜粋引用)
海が見たくなりました。
そして、今日、出会う何かを記憶に留め、愛しおしいと思えたらいいなと、
そんな風に思いながら最後のページをそっと閉じました。