障害役者~走れなくても、セリフを忘れても~ 柳浩太郎
娘の読んでみてと言う薦めで読みました。
TVで偶然目にした彼のドキュメンタリーで、どんどん彼に嵌ってしまったらしい。
最愛のジェジュ君に会えない日々を柳君の発信するパワーで癒されているようです。
障害役者~走れなくても、セリフを忘れても~
著者:柳浩太郎
2010年7月23日:初版発行
2011年5月20日:5版発行
発行所:株式会社ワニブックス
ミュージカル「テニスの王子様」略して、テニミュと呼ばれている。
その主役に抜擢されて、少ない観客からだんだんと動員数を増やして、再演も決まり、スタッフやキャストの結束力も高まり、練習にも熱が入った矢先・・・
事故に遭う!
右側頭葉の脳挫傷、脳幹と小脳の損傷、外傷性のくも膜下出血による身体の麻痺、意識障害、高次脳機能障害。
医師の診断・・・
スポットライトと喝采のステージ・・・
そんな輝く世界から一転、闘いの日々が始まった。
様々な葛藤と向き合いながら、彼は、諦めなかった。
ただ、もう一度、あのステージに立つために・・・
家族と事務所と役者仲間に支えられて、彼は、その思いに応えるように・・・
懸命に生きている。
たった一度だけ頭に浮かんだ飛び降りちゃおうか・・・
だが、彼は、生きている!
もう失うものなんてない・・・
前向きなれるのは?
簡単、自分を好きになることだと言う。
それが、みんな難しくてなかなか出来ない、
ならば、好きにならなくてもいい、自分のことをわかって、自分の状態を受け入れれば、十分だと言う。
彼は、自分を受け入れることで、前に進むことが出来た。
出来ないことは、何だろう、じゃあ、出来るようにするには、どうすれば・・・
クリア出来そうな小さな目標を立て、一つ一つ越えてゆく。
その達成感が次の挑戦へと繋がってゆく。
そうやって、最初に持った大きな目標に、地道に積み重ねてゆけば、いつか叶う!
彼は、病気のせいでセリフもすぐに忘れてしまったり、ろれつも回らなかったり、怒りっぽかったり・・・
抱えている問題はたくさんあるけれど、それでも、自分を支えてくれた人々への恩返しをしてゆく事が、こんなしあわせな事はないと言う!
あの頃の自分には戻れない!
なくなってしまったものはしょうがない。
でも、彼は夢を諦めたりはしないんだ!
眠り続けて意識が戻った時には、もう目覚める前の自分とは、180度違う人生が始まった柳浩太郎君。
誰が明日の自分がそんな事になるなんて思うだろうか!?
彼の強さはどこから来るのだろう?
もしも、私が・・・
立ち直れるかな?
絶望の淵に立たされても、こんなにも力強く生きている人がいる・・・
恵まれ過ぎている自分を振り返り、努力を惜しまない人でいなきゃ・・・ね!
人はそれぞれ、その人なりの重たい何かを抱えて生きているのだと思います。
柳君は、この本を書く事で、そんな人々に自分を受け入れて楽になること。
そして新しい一歩を踏み出す勇気を与えてくれたのだと思います。