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ヴァンパイア伝説~Mr.Lee!~122
2006年 07月 31日
突然の早朝のコールに何故か、言い知れぬ緊張感が走った。
予測できない何か大変な事が起こったのではないかと・・・ 「Lee様、レイです。落ち着いて聞いて下さい。いいですね。カイン伯爵様が倒れられました。」 「!」 「Lee様、聞こえていらっしゃいますか?今朝程、突然の事で、緊急で大学病院の方へ、お連れしたそうですが・・・」 「レイっ!それで、お爺様のご様子は如何に?」 「はい、まだ、意識が戻られないままだそうです。今から、お迎えに参りますので、J姫様とご一緒にご用意をお願い致します。よろしいですね。」 「Lee・・・?何かあったの?」 Mr.Leeの顔色は、見る間に蒼白に・・・ 「J、お爺様が倒れた。今から、直ぐに病院へ向かうから、急いで、用意を!」 「!」 J姫の顔色も一瞬にして色を失った。 レイの迎えの車に二人は飛び乗ると、直ぐに大学病院へと車は走りだした。 「レイ、詳しいことは?」 「いいえ、Lee様、まだ、何も。」 「ただ、今朝ほど、倒れられ、そのまま意識が戻られないとしか・・・」 「・・・」 「そうか・・・レイ、とにかく急いでくれっ!」 「はい。」 ほんの10分程が、例え様も無く長い時間に感じられ、Mr.Leeは、祖父へと向かって、ただ、心の中で、呼び続けていた。 病院の正面玄関へ着くや否や、J姫の手を取り、走り出す、Mr.Leeだった。 レイが病室に向かって、誘導してくれる。 そのドアの前に立ち、一瞬、開ける事が躊躇われた。 何故か、怖かった・・・ その思いを振り払い、静かにドアを開き、そっと中を伺う。 祖父の屋敷の執事とスヨナが振り返る。 「あぁ、Lee様、来て下さいましたか。間に合いました。」 「!」 「間に合ったとはどういう意味だ?」 思わず、声が大きくなってしまうMr.Lee。 「カイン様は、もう・・・」 「もう、何だ!!」 「はっきり言え!」 「Lee様、そのような大きな声は、いけませんわ。どうぞ、落ち着かれて下さいませ。」 スヨナが努めて冷静な口調で、Mr.Leeを諌める。 「あぁ、すまない。きちんとわかるように説明してくれ。」 「今のお爺様の容態は?」 「はい、伯爵様は、もう、寿命が訪れたとの事でございます。」 「そんな・・・ヴァンパイアとて、不死身では無い事を知ってはいる・・・」 気が動転して思考が止まってしまっていたようだ。 沈黙が流れ・・・ 「あっ!!僕の血があるじゃないかっ!そうだ、それがあった。」 「僕は、半ヴァンパイアだけれど、れっきとしたお爺様の血が流れている。僕なら、僕の血ならお爺様を救えるだろう・・・」 「Lee様、そのことでございますが・・・」 「何だ?」 「伯爵様より、 (きっとLeeからその血を私にというような申し出があるだろう、その時は、その必要はないと言え!)そのように、きつく言い渡されております。」 「!?」 「何故だ!」 「理由を話せ!」 「はい。伯爵様は、Lee様の命の心配をされてのことでございます。貴方様は、失礼ながら、半ヴァンパイアの身であられますから、その血で伯爵様の命を永らえるだけの血の提供は、貴方様の命の半分を失う事となられるのです。」 「伯爵様は、貴方をLee様をこの上なくアシュレー様の大切な忘れ形見として、愛しんでこられました。愛情表現のあまりお上手な方ではございませんでしたから、Lee様には、誤解があったことかと思われますが、心から、貴方様を愛していらっしゃいました。」 「どうか、伯爵様のご意思の尊重をお願い致します。いえ、Lee様がどのように懇願されましても、伯爵様のご命令は、わたくしにとっても譲れることではありません。伯爵様のお言葉は、わたくしには、絶対でございますから。」 「・・・」 言葉もないMr.Leeであった。 レイが、背中を向け、その涙を拭った事は、誰も知らない。 「Lee・・・」 J姫がそっとMr.Leeの肩を抱きしめた。 「Lee、神様にお祈りしましょう。」 「カイン伯爵、貴方のお爺様は、神様から疎まれるようなお方ではありませんでしたわ。」 「だから、きっと、この祈りを聞き届けて下さいますわ。きっと!」 「J・・・」 「僕は、どうすればいいんだ・・・僕は、僕のこの命たとえ半分になったとしても構いやしない!」 「なのに、お爺様は、何故、拒むんだ。僕を愛してくれているのは充分わかっているさ。」 「だから、だから、その愛に応えたいのに・・・」 「Lee、貴方の気持ちは、ちゃんと、お爺様には届いていてよ。大丈夫!」 「貴方を誰より愛していらっしゃるわ。だから、お祈りしましょう。ねっ、 Lee、。」 「あぁ、J・・・」 「今の僕に出来ることは、祈ることだけなのか・・・そうなのか・・・」 「Lee、しっかりして、私がいるわ。忘れないで、ここにずっと貴方の側にいるって誓ったでしょ。」 「あぁ、J。そうだったね。僕には君がいる・・・」 「祈るよ。心から・・・」 カインの手を握り、頭(こうべ)を深く垂れ、一心不乱に祈るMr.LeeとJ姫だった。 To be continued.
by pink_alien98
| 2006-07-31 01:00
| プチ創作☆Mr.Lee
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Comments(12)
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N-nari
at 2006-07-31 01:10
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LUNAママさん、こんばんは!
こんな展開なんですか! 伯爵の命が・・・ LeeとJの祈りは届くの? 二人の運命を大きく左右するのかな? 伯爵さま・・・
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at 2006-07-31 04:14
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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pink_alien98 at 2006-07-31 07:28
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pink_alien98 at 2006-07-31 07:32
>2006-07-31 04:14の非公開さんへ
おはようございます?・・・う~ん、おはようございますの書き込み時間じゃないよぉ~。 大丈夫でしょうか?ちゃんと睡眠取って下さいねっ! そ、寿命は・・・もう、カイン伯爵は何年、生きているのやら・・・ 人間より年をとってゆくスピードが遅いので・・・ もう、かなり、年かと思われます・・・ LeeのこととなるとJは強くなれます! これも全て愛の力・・・ 祈り・・・届きますように・・・さて・・・
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きんぎょそう
at 2006-07-31 18:36
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LUNAママさん、こんばんは!
ヴァンパイアのUP、ありがとうございます! 今日も出掛けてて・・一度読みましたが、感想はまたゆっくり読んで明日になるかもしれません。↓の中毒もコメントしたいんですが、ちゃんとまとめてからにしますね。これも、多分明日になりそうです。では、また・・・
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cheerfully
at 2006-07-31 20:11
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LUNAママさん、ただいま~♪
カイン伯爵...もう寿命が来るのね... あぁ~カミサマ!お願い!! ( ̄人 ̄) Mr.Lee&J姫のお願い聞いてあげて~!! でも、カイン伯爵はMr.Leeの血を 受け取らないのかな?? Mr.Leeは自分の血を半分失ってもいいって 思ってるのにね...
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リリー
at 2006-08-01 00:05
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LUNAママさん、皆さん、こんばんは。
さっそくのUP,ありがとうがざいます。 でも私が出遅れちゃいました(汗 もし伯爵がLeeの「血」を受け入れても、私はお断り して頂きたい・・・J姫のために・・・はい、自己中そのものです(^^;) まっ、それは冗談ですが??Lee君、あなたには守らなければ ならない大切な人がいるのですから・・・ そしてJ姫、彼のためなら強くなりますね~~可愛い、凛としたお顔が 想像できます。 伯爵の病気でまた二人に何か変化が起こるのでしょうか・・・心配です
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pink_alien98 at 2006-08-01 08:55
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pink_alien98 at 2006-08-01 08:57
>cheerfullyちゃん、おはようございます。
昨日は、ミアネ~。お帰りって言ってあげられなかったねっ。 さて、Leeどうするの? 私にもまだ、わかりませんの。 はは・・・ ゆっくり、逢って来ます、Leeに。
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pink_alien98 at 2006-08-01 08:59
>リリーさん、おはようございます。
出遅れなんて、そんな・・・ いつでも構いませんわ。 感想、聞かせて下さいな。 で、あはは・・・お断りなのねっ! そ、凛としたお顔でございます。 想像して下さって嬉しいな。 まだ、先が見えておりません・・・ 待っててね。
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きんぎょそう
at 2006-08-01 11:27
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LUNAママさん、こんにちは!
二人にとって、至福の時ばかりじゃないですね・・・。 Leeの愛するお爺様が倒れて、どれほどショックなことでしょう。ましてや、Leeを思って輸血を拒否するように伝えてあったことを聞けば尚のことですね。でも、そんなLeeをJ姫がしっかりと支えて何だか強くなりましたね。J姫が側にいるのでLeeは持ちこたえているようにみえますね。 あぁ・・LeeとJ姫には、今、ひたすら神に祈りを捧げるだけしかないのでしょうか!?だれか、救いの手を差し伸べてくれる者もいないのでしょうか!?やはり、お別れの時・・・お爺様は旅立たれるのでしょうか!?次回、お待ちしています・・・。
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pink_alien98 at 2006-08-01 12:05
>きんぎょそうさん、こんにちは。
J姫はLeeのためなら強くなれます。 愛しているから・・・ さぁ、どうしましょう? Leeに聞いてみるだけなのよ。 勝手に動く彼らだから。 書いている私にもわかりません。 上手には言えないのですが、勝手に、そ、勝手にどんどん行ってしまうから・・・ イメージが降って来てくれるのを待ちます。 |