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ヴァンパイア伝説~Mr.Lee!~151~
2006年 11月 24日
「Lee、止めてっ!」
突然、J姫が現れた。 「Lee、お願いだから・・・」 「J!・・・大丈夫なのか?」 「・・・」 「何故だ?何故、止めるんだ。J・・・」 「あなたのためよ。私のためなら止めて。」 「君は、こんな目に合っているのに、何故?こいつを庇うのかっ!」 「いいえ、いいえ、違うわ。そうじゃないの。」 「じゃあ、何故、止めるんだ。」 「Lee、どんな事になってもあなただけを愛してるから、信じていて。お願い。」 「J・・・」 「さぁ、どうします?Mr.Lee」 「貴様、Jに何を言った!」 「何も。ただ、愛するあなたを救いたいなら、僕と一緒にと。」 「J、こんな奴の言う事を聞くのかっ!」 「Lee、お願い、今は、どうかこのままレイさんとスヨナを連れて帰って。」 「何を言ってるんだ!そんな事が出来るわけないだろう。どうして君を置いて帰れるんだ。」 「いいえ、帰って!」 「J・・・」 J姫の大きな瞳からは、はらはらと大粒の涙が零れ落ちた。 Mr.Leeは、胸が潰れそうなほど痛んだ。 (何故だ?J・・・) Mr.Leeは、J姫の心に問いかけた。 だが、答えはない。 (J。J、聞こえるだろう、僕の声が。) (えぇ、Lee・・・聞こえるわ。ちゃんとあなたの声が。でも、今は、答えられないの。ごめんなさい。) (だから、J。何故だ?) J姫からの応答はなかった。 「さぁ、Mr.Lee。お引取り願いましょうか。もう、ここにいる意味はないでしょう。」 「Jもあなたとはいたくないようだしさ。」 「何をっ!」 「いいんですよ。別に僕は、あなたと闘うなんて容易いことだ。」 「でも、Jは、それを望んではいない。だから、僕は嫌だね。Jを困らせる事はしない主義でね。まぁ、あなたから奪ってしまう事だけは仕方ないけどさっ。」 「でも、それも一時の事。僕は、必ずJを幸せにするから、心配はいらない。」 「シンっ!貴様は、正気なのかっ!」 「ええ、僕は至って、まともですよ。冷静さが僕の武器でもあるのだから。」 「僕は、あなたの様には、熱くならない。命取りになりますよ。」 Mr.Leeは、迷っていた。 迷う事など何もないはず・・・だが、JがいつものJではない。 (どうすればいい?) 自問自答してみるが、答えは出そうにもなかった。 Mr.Leeとシンの間で、その視線はぶつかり合い、静かな火花が迸っていた。 Mr.Leeは、シンの心の中を探ってみる。 だが、堅いシールドに覆われ読み取る事は出来なかった。 では、Jの心の中は・・・ 静かに目を閉じて、思いをJだけに・・・ その心の中の光景は、Mr.Leeの血液を一気に逆流させそうなほど、衝撃的なものだった。 Jが最愛のJが陵辱されていた。 シンがJに覆いかぶさり、その愛らしい自分だけの唇に無理やり口付けていた。 そして、自分が愛の印として付けた薔薇の刻印をなぞり・・・ 我慢が出来なかった。 やおら、Mr.Leeは、シンに飛び掛っていた。 J姫が止める間もない一瞬のこと・・・ くんずほぐれつ床の上を二人は転がり、熾烈な闘いが繰り広げられていた。 か弱いJ姫には、どうする事も出来ない。 だが、Mr.Leeがシンに馬乗りになりその首ねを捕らえた。 執拗なまでの渾身の力でシンの首を絞めるMr.Leeだった。 だが、シンは臆する事も無く、Mr.Leeの瞳を見詰めて、問いかけて来る。 (Mr.Lee、今のJの気持ちがわかる?Jは、僕に汚されたからあなたの元にはもう、戻れないと思っているのさ) (だから、無理に彼女を連れて帰る事は得策だとは思えないよ。) Mr.Leeのシンを締め上げている指先から力が抜ける。 いつも自信に満ち溢れているMr.Leeの顔が曇る。 シンは、そんなMr.Leeを跳ね退け、立ち上がって衣服の乱れを直している。 余裕だ・・・ 片や、Mr.Leeには、余裕などと言うものは存在しなかった。 J姫を振り返り、じっと見詰める。 だが、J姫は、その視線が痛くて、逸らしてしまう。 Mr.LeeがそっとJ姫に呼びかける。 「J・・・。君は君だ。何も変わっちゃいない。さぁ、僕の所へ戻っておいで。」 「僕の気持ちは君が一番よく知っているだろう。さぁ、J・・・おいで。」 「ごめんなさい。あなたの言葉を信じていたらこんな事にはならなかったわ。だから、これは罰なの。」 「あなたを信じなかった私に神様が罰をお与えになったんだわ。」 「何を言ってるんだ。J、そんなことがあるものか。君は敬虔なクリスチャンだろう。神様が一番ご存知だよ。」 「Lee・・・」 涙が止まらないJ姫。 Mr.Leeの胸は張り裂けそうだった。 憎い!シンが!八つ裂きにしてもまだ足りないほどの憎しみがMr.Leeの身体中に漲っていた。 「あぁ、もう、いいかな。そんな夫婦の甘い戯言なんて聞きたくないな。」 「さぁ、J。僕と来るんだ。いいね。君にはそれしか選ぶ道はないだろう。」 Mr.LeeがJ姫とシンの間に立ちはだかる。 その瞳は怒りに満ち、赤く染まっていた。 ヴァンパイアだ・・・ 最強のヴァンパイアに・・・ もう、人の心は持ち合わせてはいない。 誰にも止めることなど出来はしないだろう。 To be continued.
by pink_alien98
| 2006-11-24 06:12
| プチ創作☆Mr.Lee
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Comments(14)
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tyatya-usa
at 2006-11-24 06:57
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おはようございます
ただいまPCのまえで、目覚めました (^^ゞ んで、1読、させていただきました 今更ながらの質問、ヴァンパイアハンターって、そもそもなんでしたっけ?って、あさから、寝とぼけてるわけではないんですが、シンの本当の目的は、ハンターとしての仕事なんじゃないんですか? Jだけが目的だった?それともこれは、ハンターとしての手段なの? JがMr、Leeがかわいそうだ・・・って、ここでいつまでもPCたたいてると、娘が遅刻です (^^ゞ 起こして来ます!!
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pink_alien98 at 2006-11-24 08:21
>tyatya-usa さん、おはようございます。
PCの前で目覚めたの? 風邪引いちゃうよ!気を付けてねっ。 うん、ヴァンパイアハンター、その昔、彼らとの間には長い長い闘いの日々があったのですが、今は、ヴァンパイアもカイン伯爵の下、統制が取れているので、人間と共存出来ているからハンター達も静観している状態です。 だから、シンの目的は、J姫という事になります。 うん、暫くは可哀想だと思います・・・ まだ、先が見えていません。 彼らに動いてもらわないと・・・ でも、今は、結構、頭の中が、ミンチョルバージョンなので・・・(苦笑)。
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ko
at 2006-11-24 09:26
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おはようございます。
朝から刺激的! 今朝は久しぶりにお仕事なのですが、仕事前に読ませていただいて、またまた、頭のなかはビョンちゃんや、ミンチョルやMr.Lee・・ 幸せだけど、社会復帰が難しいです。 この先、どうなるの?? うさるなさん、お忙しいことと思いますが、続きもよろしくお願いいたします〜
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リリー
at 2006-11-24 10:14
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UNAママさん、皆さん、おはようございます♪
胸がキュ~ンと痛いです><; でもこうゆうの好きです~ 実際に、BH&JWで演じて欲しいです。彼の愛に 苦しむ演技、きっと超セクシーな今の彼なら最高 だと思うんだけど・・・ 「Leeのことを信じなかった罰」というJ姫の言葉が 切ないですね・・・グスン 人の心をなくしたLee・・・この先どうなるのでしょう・・・ そしてJ姫は・・・ はぁ~早く続きが読みたいです~
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pink_alien98 at 2006-11-24 15:35
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pink_alien98 at 2006-11-24 15:37
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at 2006-11-24 17:42
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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cheerfully
at 2006-11-24 20:19
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Mr.Lee~人の心を持ち合わせていないの~>_<
今までいろんなコトがあったけど、今回は 半端じゃないぐらい激しい怒りになったのね~ クールなシンさんでも、マズイ展開じゃないのかな~ だって、誰に止められない状態だもん... でも、怒りが収まれば元に戻るよね... そうじゃないとJ姫、もっと泣いちゃうよ~(T_T) J姫...確かにね~Mr.Leeの言うてるコト、 信じてたら、こんなコト起きなかったよね... 神様~早くこの嵐を収めて~(^人^) オ・ネ・ガ・イ♪
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pink_alien98 at 2006-11-24 21:51
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pink_alien98 at 2006-11-24 22:08
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at 2006-11-24 23:29
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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pink_alien98 at 2006-11-25 06:43
>2006-11-24 23:29の非公開さんへ。
おはようございます。 はい、お手柔らかにゆきたいのですが・・・ どうなるでしょう? まだ、先が見えていません・・・ ええ、本当に素敵過ぎる彼、降参だわ。 何度も読んで下さって、有難うございます。
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badtzmaru
at 2006-11-27 04:07
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LUNAママさん こんばんは!
大変遅くなってしまってm(__)m J姫の気持ちも Mr.Leeの気持ちも 痛いほどわかります J姫 自分が許せないのよね Mr.Leeが締め上げても 跳ね除けてしまうシンって? Mr.Lee 怒りから 最強のヴァンパイアになってしまって >人の心は持ち合わせてはいない・・・なんて どんなMr.Lee になってしまうのか 心配です ママさんこれからもっと きつくなるんですか? でもヴァンパイアのMr.Lee 見てみたいわ(-_-;)
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pink_alien98 at 2006-11-27 08:09
>badtzmaruさん、おはようございます。
いえいえ、遅くなんかないですから、いつでもO.Kでございます。 二人がお互いに思い合うゆえに、悲しい・・・ そ、シンは強いですよぉ~。 さて、どんなLeeになって貰いましょうか!? まだ、真っ白なの・・・ でも、一つだけ決まっている事があって、そこへ繋げてゆこうと・・・ ちょっと整理してからになりそうです。 待っていて下さいね。 |